=活動目的=


 ・日本における国家や政治と教会の関わりを、聖書と神学の視点から

  研究します。

 ・現在の日本の状況を踏まえ、教会がこの時代に担うべき神学的課題

  として整理します。

 ・整理された神学的課題を広く一般に提供します。

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2023年3月1日水曜日

 

安保関連三文書の閣議決定に抗議・反対します

 

 当会は2023年3月1日、安保関連三文書の閣議決定に抗議・反対する声明を発表し、岸田文雄内閣内閣総理大臣あてに送付しました。

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私たち「教会と政治フォーラム」の世話人一同は、日本政府が日本国憲法に従って軍事力に依存しない平和構築をめざし、市民が平和に生きる権利と世界の平和に貢献することを切に求めます。ゆえに以下の理由から、2022年12月16日に閣議で決定された「安保関連三文書」および、防衛費をGDP比2%に倍増する軍事大国化と軍拡増税に反対します。

 

1. 政府は、日本国憲法による国民の負託を無視している

 安保関連三文書の閣議決定の重大な問題は、憲法原則を180度転換させながら憲法論議や国会での説明を何一つしようとしないことにあります。歴代政権が死守した「専守防衛」を「敵基地攻撃能力」へと転換し、防衛予算のGDP比1%枠をあっさり破って倍増と決め、あたかも解決済みであるかのように憲法論議をしようとしない態度は、国会無視と言わざるを得ません。

昨年12月16日の閣議決定は、臨時国会の閉会後、通常国会開会前を狙うかのようでした。首相は、2021年12月6日の臨時国会での所信表明演説で「新たな国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防衛力整備計画を、概ね1年かけて、策定する」と宣言をしておきながら、国会審議が始まる前の2022年1月7日の「日米安全保障委員会2+2」で「共同宣言」を行い、これを既定路線として、国会ではまともな論議を行わずに、同年5月23日に「日米首脳共同声明」を行いました。また同年の「臨時国会」でも「あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討する」と語るのみで具体的な説明はせず、国会閉会後の11月25日に、与野党協議で初めて政府案を説明しました。政府の「有識者会議」の、わずか4回の会議のお墨付きにより、政府が重大方針を決定したことは、国会軽視であり、説明すら不必要とする驚くべき態度でした。今年1月23日の第211回通常国会の施政方針演説で、「昨年末、一年を超える時間を掛けて議論し、検討を進め、新たな国家安全保障戦略などを策定致しました」と語ったのは事実に反しています。 


2. 政府は、憲法の原則の変更を閣議で決定している

 憲法原則の重大な変更は、国民投票を伴う改憲で決定するべきもので、閣議の解釈変更だけで決定することではありません。「戦力不保持」を原則とする日本国憲法第9条は「敵基地攻撃」や「先制攻撃」を禁止しています。それを、「自衛のため」であれば集団的自衛権による先制攻撃も可能とすることは、明らかに憲法原則の重大な転換であり、それは改憲によって信を問うべきものです。

日本国憲法前文に明記された外交の原則は「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」であり、「信頼関係」を基調とする外交に基礎を置くべきです。ところが、「外交・安全保障双方の大幅な強化」と言って、武力を背景とする威嚇を外交の前提とすることは、憲法の原則の大転換です。「戦力不保持」の日本国憲法9条は、「国防」のための軍事的公共性を前提としていません。自衛隊が、スタンドオフ機能を持つ長射程ミサイル、長距離戦略爆撃機、攻撃型空母を保持することが許されないことは、歴代政権によって確認されています。1988年4月6日参議院予算委員会での瓦力防衛庁長官の答弁では「個々の兵器のうちでも、性能上専ら相手国の国土の壊滅的破滅のためにのみ用いられるいわゆる攻撃的兵器を保有することは、これにより直ちに自衛のための必要最小限度の範囲を超えることとなるから、いかなる場合にも許されず、したがって、例えばICBM,長距離核戦略爆撃機・・・長距離戦略爆撃機、あるいは攻撃型空母を自衛隊が保持することは許されず、このことは累次申し上げてきているとおりであります」と明言しています。

しかし、首相は今年1月23日の第211回通常国会の施政方針演説において、「今回の決断は、日本の安全保障政策の大転換ですが、憲法、国際法の範囲内で行うものであり、非核三原則や専守防衛の堅持、平和国家としての我が国としての歩みを、いささかも変えるものではないということを改めて明確に申し上げたいと思います」と語りました。これは明らかな矛盾であり詭弁です。

 

3. 政府は、軍事的威嚇により戦争を誘発しようとしている

 米軍は2010年以降、国防戦略の見直しによって海空統合作戦を提唱し、「アクセス阻止・エリヤ拒否」を有する敵を打倒するための作戦構想である機動展開前進基地作戦(EABO)に踏み切りました。これは軍事的な威嚇によって、戦争を誘発しかねない戦略です。その米軍と自衛隊が一体となり、日米両政府が沖縄の西南諸島一体に攻撃軍事拠点を置くことが報道されています。これは中国への先制攻撃が可能な兵力・戦略を持って日常的に中国に対峙する軍事戦略であり、中国をはじめ近隣諸国との軍事的緊張を高め、不慮の軍事的衝突を誘発する危険をはらんでいます。これにより、沖縄と南西諸島の165万人の命は危険に晒され、再び捨て石とされてしまいます。軍事的な威嚇は「戦争の抑止」ではなく「戦争のリスク」です。

軍拡は、日本を戦争の当事国とし、自らの首を絞める危険な行為です。「剣を取るものは剣で滅びる」(新約聖書マタイの福音書26章5節)の聖書の言葉の通り、戦争回避は軍拡によってではなく、軍縮によってなされます。

 以上の理由から、私たちは安保関連三文書の閣議決定に抗議し、軍拡路線に強く反対し、憲法尊重擁護義務を負う政府が、「抑止力神話」の虚構から脱却し、日米軍事同盟から距離を置き、軍拡ではなく軍縮に、方針の大転換をすることを強く求めます。私たちは東アジアから引越しをすることはできないのですから。

 

2023年3月1日

教会と政治フォーラム


 


2021年1月16日土曜日

第20回例会のお知らせ

 第20回例会を次の通りおこないます。

 ご参加登録お待ちしています。

2021年2月5日(金)午後7時よりZOOM開催です。

 「ピスガの頂から約束の地を眺望して」

     ー日本キリスト教会大信仰問答最終章

         「終わりの日」にこめられた証ー

発題   澤 正幸 師

  日本キリスト教会福岡城南教会牧師

  日本キリスト教会大会「信仰と制度に関する委員会」委員長





澤沢牧師・プロフィール

1950   東京に生まれる

1955年 日本基督教団小石川白山教会にて小児洗礼

1968年 日本キリスト教会東京告白教会にて信仰告白

1969年 オクラホマ州タルサ市立ウィル・ロジャース高校卒業

1974年 東京大学法学部卒業

1979年 日本キリスト教会神学校卒業

1979年〜1992年 日本キリスト教会袋井北教会牧師 

1992年〜現在  日本キリスト教会福岡城南教会牧師

 著書 「長老制とは何か」(増補版、一麦出版社)

日本キリスト教会大会「信仰と制度に関する委員会」委員長


日本キリスト教会大信仰問答を予習される方はコチラ↓から

 CATS 日本キリスト教会大信仰問答 | 一麦出版社 (ichibaku.co.jp)



2020年6月24日水曜日

第17回例会の報道です


第17回例会の様子の報道です。

<クリスチャン新聞より>

信徒伝道者を中心に独自の教会形成をした「森派」(耶蘇基督之新約教会)。そのひたむきな信仰ゆえに、戦時下に弾圧を受けたが、その実態は一部の手紙、口伝で知られるのみだった。戦後その信徒の尋問調書が見つかり、今回森派の信仰にせまる『知られなかった信仰者たち 耶蘇基督之新約教会への弾圧と寺尾喜七「尋問調書」』(川口葉子・山口陽一共著、いのちのことば社)が刊行された。6月13日には「教会と政治」フォーラム、いのちのことば社共催の出版記念会をオンラインで実施。森派の信仰から学ぶ一方、その限界も議論し、現代の教会への問いかけとなった【高橋良知
 従来森派は、抵抗と弾圧の例として扱われたが、本書では、「抵抗」以前に、まず森派の信仰の論理をとらえる。そして宗教政策の背後にある国家主義的体制の論理と相克する過程を描いた。
 森派とは、指導者の森勝四郎にちなんだ呼称。当時主要教派だった日本基督教会の教会から信者が分離して森派の教会となり、高知市を中心に、関西、関東にまで教会を形成した。
 ただ神にのみ頼るという信念で組織、規則をもたず、説教原稿や記録も残さなかった。安息日厳守と偶像礼拝の拒否、教会と世俗との区別が明確で、信徒以外の人とのかかわりは希薄。世俗の影響を受けない職業選択や起業をして、独自のコミュニティーを形成した。
 当初、主要な教派に属さない森派は宗教行政のらち外にあった。だが1940年の宗教団体法では、「宗教結社」として行政の対象(文部省管轄)となった。そのころ宗教団体の統制を計った司法省や特高からは捜査の対象となっていた。41、42年に計43人が特高によって検挙。信仰を明確にした者もいたが、転向者も多かった。
 今回寺尾喜七の尋問調書が発見された。この調書の写しをもっていたのが、森派を継承する信徒伝道者の岩崎誠哉氏。娘の村田貴志子氏を通じて東京基督教大学教授の山口陽一氏が調書の存在を知った。日本キリスト教史が専門で宗教行政にも詳しい川口葉子氏(同大学国際宣教センター研究員)が研究を進めた。
 出版記念会には、岩崎氏と村田氏も参加。「検挙から20年が経ち、寺尾さんの長女が故郷で調書の写しを発見した。戦後は警察も市民も様々な資料を燃やしたものだが、この資料は寺尾さんの息子が残していた。これは人のわざではなく神様のわざだと思った」と話す。
 寺尾は材木商で、その正直な仕事ぶりが同業者に信用された。材木市場は寺尾のために日曜日は閉じていたほどだ。信徒伝道者としては、その説教の力強さ、信仰の姿勢などが評価されていた。
尋問書は、神観、宗教観、世界観、伝道の意味、時局の評価、安息日などについて述べ、一種の信仰教理問答となっている。
 寺尾は神社参拝は偶像崇拝であり、天皇は神ではなく人間であると明確に答えた。権威については神から与えられたものとして尊敬する一方、神を第一とした。川口氏は「今では当たり前のことでも当時はいのちがけの発言」と指摘。
 戦争については、人間の欲の結果で罪悪とする一方、教会では「国の法律制度に従う事が、直ちに神の命に背く事でない」という結論にいたった。国の制度に従う論理は、安息日を守れない場合や、行事参加での「形式上だけ」という説明にも表れた。
 川口氏は、森派について「ただ神のみを神とする信仰を貫くことが、国家体制から逸脱させ、弾圧につながった」と評価。一方で「明確な反対、抵抗ではないゆえに、様々な軋轢(あつれき)に対して国の制度に則って対処した」面もあったと指摘。閉じられたコミュニティーの中で、「戦争や国家、社会の様々なことに対して、信仰者としてどのように考えるかと主体的に問うことはおそらくなかった」と述べた。しかし、明確な偶像礼拝の判断は、「知られていなかった森派が知られる意味がある」と語った。
 岩崎氏は寺尾の信仰について振り返り、「検挙された多くの人が転向した。信仰を貫いたのは寺尾さんや数人くらい。戦後、ある人に話を聞くと、尋問の中で警官から『心の中で信仰していればいいのだ』と諭されたという」と話した。
 質疑の中では、仕事を通じて社会と関係をもてたのではないかということにも関心が払われた。
 村田氏は名古屋の森派が戦後、全国の森派信徒の子弟を集めて企業を形成した歴史を話した。「当初は信仰による仕事と生活の一致を努力した」。だが、高度成長の波に乗り会社が大きくなるにつれて、信仰から離れる人が増え、「『豊かさの毒』を乗り越えるのは難しい」と感じた。「戦前の貧しい時代は、共同体意識をもちやすかったが時代によって変わる。文章を残さなかった森先生がどう思うかとも思うが、この記録が残ったことで戦前戦中を振り返えられることは大切」と述べた。
 森派の「対処」について川口氏は、「現実との折り合いというのが妥当な表現だと思う。信仰を貫こうとするときに現実と衝突した。主要な教会が『神社参拝は偶像礼拝ではない』と言っていたのとは違う」と述べた。
 同書の編集担当者は、「本書の半分が尋問調書だが、全体を通して読み、全文載せることに意味があると思わされた。神のみを神とする信仰を貫いた森派の姿勢を本書で残せた。教会でも信仰を考えるきっかけにしてほしい」と述べた。
 最後の挨拶で朝岡勝氏(同盟基督・徳丸町キリスト教会牧師)は、戦時中ホーリネス弾圧で検挙された自身の祖父のことに触れ、「当時の記憶を残す人が減る中で、歴史を継承する責任がある」と話した。
 
     
 
https://クリスチャン新聞.com/?p=27704&fbclid=IwAR2jIOU00rSFA8608BIbBW8ZtiTaI-VILhxfHeVY7Zds1sE-Mo04AyUzGUI

2020年6月5日金曜日

第17回例会(web)のご案内


延期しておりました第17回例会のご案内です。

いのちのことば社・カイロスブックスシリーズ

「知られなかった信仰者たち」の発行を記念し、出版記念会を行います。
時節柄オンラインといたしました。

 




 治安維持法下でホーリネス教会や美濃ミッションが宗教弾圧された史実はよく知られています。それよりも前に、耶蘇基督之新約教会の弾圧があったことは、内容が明らかになっていませんでした。
自分たちの信仰を一切書き残さず、わずかな手紙と口伝でしたしる手立てがなかった耶蘇基督之新約教会「森派」の信仰と弾圧の歴史を掘り起こしたものです。信仰の先達に学び、現代に生きる教会の在り方、私たちの信仰を振り返る機会となれば幸いです。

申し込みはメールでお願いします。(参加費無料)
参加者へZoomのURLをお知らせいたします。

                             メールはこちらから


2019年11月9日土曜日

第15回例会のご案内



第15回例会のご案内です。
11月21日(木)午後6時30分からビサイドチャーチ東京にて

今回の発題は、児玉智嗣先生です。

「ハンナ・アーレントの全体主義から考える
   凡庸という悪魔に抗うために~」 

児玉先生のプロフィールです
こだまともつぐ
1982年小田原市生まれ。東京基督教大学、東京基督神学校を卒業。現在、布佐キリスト教会(日本福音キリスト教会連合)の牧師として9年目。

どなたでも参加できます。お誘いあわせてお出かけください。